AI × 業務効率化

ChatGPTで不具合解析を効率化する方法|現象・変化点・切り分け順を整える実務の型

不具合解析は、技術職の仕事の中でも特に迷走しやすいテーマです。
現象は出ているのに、どこから確認すればいいか分からない。原因候補を挙げ始めると広がりすぎる。確認したはずなのに、また同じところに戻る。こうした悩みは、不具合解析の初動でよく起こります。

そこで役立つのがChatGPTです。
ただし、AIが原因を当ててくれる、という話ではありません。実務で本当に使いやすいのは、現象整理・変化点整理・原因候補の領域分け・次の確認順のたたき台を作る補助として使う方法です。

この記事では、ChatGPTで不具合解析をどう整理するかを、技術職の実務に寄せて整理します。
不具合解析の初動で毎回迷いやすい方に向けて、使いやすい流れとプロンプト例までまとめます。

ChatGPTで不具合解析はどこまでラクになるか

ChatGPTは、不具合解析を自動で終わらせる道具ではありません。
ただ、不具合解析で重くなりやすい「最初の整理」をかなり軽くできます。

ChatGPTでラクになりやすいこと

不具合解析の初動では、何よりも「情報が散らばっていること」が負担になります。
この部分は、ChatGPTを使うとかなり整理しやすくなります。

・現象整理
・発生条件の整理
・変化点の洗い出し
・原因候補の領域分け
・次の確認順のたたき台
・抜け漏れ点検

つまり、ChatGPTは「原因を見つける人の代わり」ではなく、不具合解析を前に進める整理役として使うのが向いています。

ChatGPTに任せすぎない方がいいこと

一方で、そのまま任せると危ない部分もあります。
特に、次のようなところは人が必ず確認する前提です。

・原因の最終断定
・数値や規格値の判断
・設備仕様や社内条件の解釈
・良品/不良の判定
・技術的な最終結論

この前提を持っておくと、AIを無理なく使いやすくなります。

不具合解析で止まりやすいポイント

不具合解析が重いのは、原因候補が多いからだけではありません。
多くの場合は、「何をどういう順番で整理するか」が定まっていないために止まりやすくなっています。

よく止まりやすいポイント

特に止まりやすいのは、次の5つです。

・現象が曖昧
・良品と不良品の差が整理できない
・変化点が洗い出せない
・原因候補が広がりすぎる
・次の確認順が決まらない

たとえば、「異常がある」「不具合が出る」だけでは、何を比較すればいいか分かりません。
また、材料、工程、設備、作業、環境と候補を広げすぎると、確認項目だけ増えて前に進みにくくなります。

特に止まりやすいのは切り分け順

この中でも、特に実務で困りやすいのが「どこから確認するか」です。
確認順が決まらないまま全部見ようとすると、時間だけかかって原因領域が狭まりません。

切り分けの順番で迷いやすい方は、こちらの記事も合わせて読むと整理しやすいです。
不具合解析の切り分けの進め方|原因候補を広げすぎない整理の順番

ChatGPTで不具合解析を整理する基本の流れ

不具合解析をChatGPTで効率化するときは、いきなり「原因を教えて」と投げるより、順番を決めて使う方が実務では強いです。
おすすめは、次の流れです。

1. 現象を整理する

最初にやるのは、何が起きているかを具体化することです。
この段階では、原因を考えるより先に、現象を言葉で固定する方が大事です。

整理したい内容の例は次の通りです。

・どこで起きたか
・いつ起きたか
・どの条件で起きたか
・どの程度の異常か
・どういう見え方か

2. 発生条件を整理する

次に、その現象がどの条件で起きたかを整理します。
ここでは、発生した条件だけでなく、発生していない条件も重要です。

たとえば、

・常温では出ない
・高温でだけ出る
・特定ロットで出る
・特定設備でだけ出る

のように、差がある条件を見つけます。

3. 変化点を整理する

発生前後や良品/不良の間にある変化点は、不具合解析の中心です。
ここを飛ばして原因候補に行くと、かなり遠回りになります。

整理したい変化点の例は次の通りです。

・材料
・工程条件
・設備設定
・作業者
・治具
・検査条件
・使用環境

4. 原因候補を領域で分ける

次に、原因候補を整理します。
ここで大事なのは、最初から一つに断定しないことです。

たとえば、

・材料要因
・工程要因
・設備要因
・作業要因
・使用条件要因

のように、まずは領域で分けます。

5. 次の確認順を整理する

原因候補が見えたら、次にどこから確認するかを決めます。
このとき大事なのは、「確認しやすい順」ではなく、原因領域を早く狭められる順で並べることです。

6. 抜け漏れを点検する

最後に、全体を点検します。
現象の曖昧さ、変化点の漏れ、候補の広げすぎ、確認順の弱さなどは、最後の点検でかなり防げます。

そのまま使えるプロンプト例

ここでは、実務で使いやすいように、不具合解析整理のためのプロンプトを4本に絞って置きます。
多すぎると逆に使いにくいので、まずはこの4本で十分です。

1. 現象整理プロンプト

以下の不具合情報をもとに、現象を整理してください。
構成は「どこで起きたか」「いつ起きたか」「どの条件で起きたか」「どの程度か」「現象の見え方」でお願いします。
技術職の実務で使いやすい形に、箇条書きで整理してください。

不具合情報:

2. 変化点洗い出しプロンプト

以下の不具合情報について、良品/不良品または発生前後で考えられる変化点を洗い出してください。
観点は「材料」「工程」「設備」「作業」「治具」「検査条件」「使用環境」でお願いします。

不具合情報:

3. 原因候補整理プロンプト

以下の不具合情報をもとに、原因候補を整理してください。
最初から断定せず、「材料要因」「工程要因」「設備要因」「作業要因」「使用条件要因」に分けてまとめてください。

不具合情報:

4. 点検プロンプト

以下の不具合解析メモについて、抜け漏れがないか点検してください。
特に「現象の曖昧さ」「発生条件不足」「変化点の漏れ」「原因候補の広げすぎ」「次の確認順の弱さ」を見てください。

不具合解析メモ:

実務で使うときの注意点

ChatGPTは便利ですが、不具合解析では使い方を間違えないことの方が大事です。
ここでは最低限押さえておきたい注意点を整理します。

原因断定をAIに任せない

AIは、それっぽく原因候補を出すのは得意です。
ただし、それをそのまま「原因」として扱うのは危険です。
不具合解析では、最後まで人が確認しながら進める前提が必要です。

数値・条件・仕様は人が確認する

設備条件や規格値、ロット差などは、AIに任せず必ず人が確認します。
特に実務では、細かい条件差が結果を大きく左右します。

AIは整理と比較の補助に使う

不具合解析では、AIに判断を任せるより、

・情報整理
・比較条件整理
・変化点洗い出し
・候補の領域分け
・確認順のたたき台

に使う方が安全で、効果も高いです。

関連記事

ChatGPTで不具合解析を整えるときも、土台になるのは「変化点」と「切り分け順」です。まず考え方を整理したい方は次の2記事から確認し、最後に質問チェックリストで抜け漏れを点検してみてください。

不具合解析で変化点を洗い出す方法|原因候補を絞る前に見るポイント
不具合解析の切り分けの進め方|原因候補を広げすぎない整理の順番
不具合解析で使える質問チェックリスト

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